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日本で最もメジャーなワイン資格といえば日本ソムリエ協会(JSA)の「ソムリエ/ワインエキスパート」でしょう。受験するにあたっては受験資格が定められています。ソムリエ試験は酒類・飲料を提供する飲食サービス、仕入れ関係(製造・販売や流通)、教育機関講師やコンサルタント業務のいずれかについて通算3年以上経験し、月90時間以上勤務している方が対象となります。一方、ワインエキスパートはこれに該当しない方となります。ワイン関連の仕事に就いていても実務経験が3年未満の方、月90時間に満たない方、ワインが愛好家で仕事にはしていない方々などです。
試験内容ですが、1次試験(筆記)は、ソムリエもワインエキスパートも同じ内容です。CBT試験といって、コンピューターによってランダムにセレクトされた問題に対し解答します。よって受験者全員が同じ問題を解くわけではありませんが、日本ソムリエ協会の教本からの出題範囲は同じですから、難易度などは等しくなるようコントロールされています。
2次試験(テイスティング)はソムリエとワインエキスパートで出題内容が異なります。ソムリエにおいては、ワイン3種、ハードリカー(リキュールやスピリッツなど)が2種出題されます。ワインエキスパートはワイン4種、ハードリカー1種です。出題されたワインの品種や銘柄を当てるだけのものではなく、テイスティングによってワインの品質を評価する能力を図ります。ワインの外観がどうか、味わいはどうか、香りや余韻の長さ、提供する適切な温度、グラスの形状など、そのワインがどのようなものなのか、そして提供する際の最適な環境・方法などを理解しているかどうかが問われます。
試験におけるテイスティングは、このようにワインに関する一定の評価基準を知らないと評価できません。よって筆記においては独学でも、テイスティングについてはしかるべき教育機関やプロに教わるなどの対応が必要と思われます。
そして、ソムリエ受験者のみに課せられる試験が3次試験です。これは主にサービスに関する実技と、論述試験が3問程度出題されます。
気になる合格率ですが、2021年のソムリエ試験の合格率は42.1%、ワインエキスパート試験は40.7%でした。 過去5年間の平均では、ソムリエ試験は31.4%、ワインエキスパート試験は38.9%です。よってソムリエおよびワインエキスパートの合格率は、概ね30~40%程度です。この数字には1年目は筆記だけ合格して2年目で2次試験をパスした人も含まれます。ソムリエなら1次〜3次試験まで、ワインエキスパートなら1次〜2次試験まで、1年目で一気に合格できた人は、2021年の実績レベルでソムリエ、ワインエキスパートの平均で35%です。過去5年間の平均は29%と受験者の3人に1人も満たないという難関です。
なお、1次試験に合格し、2次試験で不合格になっても5年間は合格した試験は免除になりますので2年かがりで合格する方も結構多いようです。
計画的に学習することと、普段からワインに慣れ親しんでおくことがマストの資格と言えるでしょう。
「飲食店に勤務することになった」「ワインの仕事をすることになった」という方は数年かかっても取得しておいた方が良い資格だと思います。しかし、出来るだけ最短距離で取得したいですよね。そのためには、やはり一番はワインスクールに通う事だと思います。ワインスクールでは試験について熟知していますし、一緒に学ぶ仲間がいますので刺激にもなります。そして、何よりカリキュラムが決まっていますので、学習時間の確保がしやすいです。もちろんワインスクールの時間だけでは試験対策としては不足しますので、自宅での学習時間の確保はマストでしょう。しかしながら、スクールでは体系的に学べるので、効率よく学習することができます。膨大なソムリエ教本を目の前に「どこから手を付けたらいいのか?」という悩みからは解放されます。
とはいえ、独学で合格される方もいますので、費用を抑えたい、スクールが近くにない、またスクールに通う時間が捻出できない、自分で学習方法が分かるという方はそれもアリだと思います。インターネットなどでも効率的に学ぶ方法や試験対策のアプリなどもありますので、こうしたものを上手に活用すれば、独学での合格も可能だと思います。
昨今のコロナ禍でオンラインの講座も増えましたので、自宅に居ながら学ぶこともできます。みなさんの生活スタイルにあった学習方法で合格を目指してくださいね。
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