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【Loin ロワン探検隊が行くVol.1】メーカーズディナーへ潜入してみた

そもそもメーカーズディナーとは

ロワン探検隊ですから、何のメーカーかといえば、ワインですよ、ワ・イ・ン。

メーカーズディナーとはワインの栽培家や醸造家などに説明を受けながら食事とワインを楽しむ会のこと。ワインメーカーにとっては、自社のワインの魅力を伝える格好の機会であり、新たなファン獲得やワインの販促活動を目的として開催されます。試飲会などとの違いは、ワインに合わせた料理が提供されることが多く、まさにワインの楽しさを満喫できます。

首都圏などでは、海外のワインメーカーがやって来て、インポーターと共に開催することもあります。昨今の日本ワインブームもあり、各地でも開催が広がっているようです。現在、福島県内のワイナリーは10団体。今回は、ふくしま逢瀬ワイナリー(郡山市)いわきワイナリー(いわき市)の2つのワイナリーが登場するということで、出かけてみました。

英国調のマナーハウスへご招待⁉ 

今回のイベントの仕掛け人は、福島や宮城県などでブライダル事業を展開する株式会社スカイパレスアソシエツ。会場は運営する式場の一つで郡山市安積町にある「ブライマリーコート」です。英国のマナーハウスを模した建物で、こういう場所で楽しむワインって素敵ですよね。

入口ではスタッフの方にお出迎えいただき、長い廊下を渡り、奥にあるメイン会場へと進みます。この日は、60名以上の方が参加されており、関心の高さが伺い知れます。私の席はTテーブル。同じテーブルの友人とはクリアボードで仕切られており、感染対策も完璧です。2つのワイナリーの紹介するショートムービーが流れ、いよいよ乾杯。

さあ始まりますよ。

ワインのポンテンシャルを格上げする料理の数々と個性豊かなワイン達 

最初のワインは意外にも赤のスパークリングワイン「ふじのゆめスパークリング 2021(いわきワイナリー)」です。

「フジノユメ」は山ぶどう品種の「行者の水」と欧州品種「メルロ」を交配させたもので、アントシアニンが豊富で酸味も高く、山ぶどう系の特色が出ていました。お料理は「フランス産 鴨のフォアグラブリュレ 自家製オレンジのコンフィチュール」です。

アミューズでいきなりのフォアグラ!と思いましたが、これがまた良かったです。自家製オレンジのコンフィチュールの爽やかな酸味が「ふじのゆめスパークリング 2021」とリンクし、赤ワイン特有のタンニンもフォアグラの濃厚さとマッチしていました。それでいて決して重たくはありません。

うわっ、これは期待してしまう・・・。

次のお料理は、福島県相馬沖のズズキのマリネとアスパラガスの前菜。マリネの下には喜多方のグリーンアスパラとホワイトアスパラがシャキシャキとした歯ごたえを残した状態で潜んでいます。ワインは「ヴァン デ オラージュ シャルドネ2020(ふくしま逢瀬ワイナリー)」です。このシャルドネをジュレしたものがお料理に添えられています。

アスパラの食感とジュレの透明感が風薫る季節を見事に表現していて、すっきりとしたシャルドネが初夏の味わいを連れて来てくれました。

今度は会津産の馬肉を使った前菜。こちらには「ヴァン デ オラージュ メルロ 2020(ワインはふくしま逢瀬ワイナリー)」をペアリング。これが抜群のハーモニーを奏でていました。馬肉のしっかりした旨味とソースに使われているビーツの土の香りが同調していて、ワインと馬肉がしっかり握手。小ぶりのクロケットは玉ねぎの甘みがメルロの丸みのある味わいをつなぎ、馬肉のまた違った味わいを楽しむことが出来ました。

続いて、お魚料理は郡山市の特産「鯉」を使った一皿。この鯉のムニエルが最高!こんなに美味しい鯉をたべたのは初めて!いやこんなに美味しいムニエルが初めてでした。ワインはいわきワイナリー「甲州 樽熟成 2018」です。一般的に甲州というとシュー・ル・リー製法のワインが多いイメージですが、こちらは樽熟しています。吟醸香りは少なく、お料理の焦がしバターも相まって、樽のふくよかさが品よく出ていました。

これは、感動レベルの美味しさでした。クレソンやウド、ジャンボなめこもすごくいい仕事をしていて、お皿の中の具材としてどれも無駄がなく役割を果たし、メインの鯉のうまさと旬の野菜たちとのコントラストが素晴らしかったです。

そしてワインを格上げするお料理の数々に圧倒されました。

お肉料理は、ニュージーランド産の仔羊を2種類の調理法で食べさせてくれました。

ワインは「シラー 2017(いわきワイナリー)」です。シラーはいわきワイナリーのオーナーのお母様が大好きな品種で、自社栽培したシラーをワインに仕上げた想い入れの深いワイン。日本のシラーを飲んだのは今日が初めてかもしれません。

これまた面白いワインで、仔羊のロティを食べるとヌーボーのようなフレッシュ感溢れる味わいになり、仔羊のムサカを食べるとシラーらしいスパイシーさが顔を出します。

そして、最後はデザート。もちろんデザートにもワインを合わせます。

苺のムースのような球体を割ると中の練乳が溢れます。甘すぎないさっぱりとしたミルクのソルベと香り高い生の苺やコンポートした苺が口の中で混ざり合います。同じ苺でも変化があり楽しい一皿でした。そして、こちらにはイチゴキャンディのような香りを持つ「マスカット・ベーリーAロゼ2021(ふくしま逢瀬ワイナリー)」を。もうめちゃくちゃキュートでチャーミングなペアリングにノックアウトでした。

 ちなみに、ロワンでもふくしま逢瀬ワイナリーの「マスカット・ベーリーAロゼ」を取り扱っています。

最後に、本日の素晴らしい機会をご提供くださった関係者のみな様、ありがとうございました。またこのような機会を楽しみにしています。

END

<この記事に関連するワイン>

ふくしま逢瀬ワイナリー MUSCAT BAILEY A ROSE 2019

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