9

ワイン初心者向け基礎知識~ブドウ品種を知ろうvol.4~エレガントな軽やかさピノ・ノワール

孤高の女王ピノ・ノワール。
その土地の気候や畑の個性を反映するといわれるブルゴーニュ原産のブドウ品種ピノ・ノワール。希少価値の高いワインを多く生み出し、世界一高価なワインとされるロマネ・コンティもピノ・ノワールから造られています。

繊細で上品。気まぐれだけど多くの人を魅了し、一度掴んだ心を離さない。まさに女王のような存在のピノ・ノワール。

多くの人を魅了するピノ・ノワールの世界を一緒に探っていきましょう。
ピノ・ノワールの特徴や主な産地、相性の良い料理、おすすめワインをご紹介します。

ピノ・ノワールの特徴

力強さよりも繊細さが特徴のピノ・ノワール。
赤ワインにロゼ、スパークリングワインも造られます。

果房のなっているさまが松ぼっくりに似ており、果皮が青みを帯びた黒色をしていることから、「ピノ(pin=松)・ノワール(noir=黒)」と呼ばれるようになったそうです。

フランスのブルゴーニュ地方原産で、歴史は古く、4世紀頃から栽培されていたという記録が残されています。

突然変異しやすいブドウ品種でもあり、果皮の色が白に変異した、「ピノ・ブラン」やピンクに変異した「ピノ・グリ」も国際品種となっています。
またシャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、シラーなどの祖先であることも判明しています。

ピノ・ノワールのワインは土地の違いが明確にワインの味わいに反映されるといわれています。
そのため単一で造られることが最も良い味わいのワインを生むとされており、シャンパーニュなどを除いて、基本的には他の品種とブレンドせずに造られています。

また、ピノ・ノワールは他のブドウ品種に比べてわずかな気候や土壌の変動に左右されやすく、粘土・石灰質の土壌などが適地で、温度や湿度にも敏感な気難しい品種のため、栽培が難しいとされています。
生産者のたゆまぬ努力が実って一本のワインとなるのです。

繊細がゆえに醸造においてもコントロールが難しいのですが、卓越したピノ・ノワールは芸術的とも称され、多くの人を一瞬で虜にする魅惑的なワインに。

ピノ・ノワールの味わい 

渋みが少なく、絹のように滑らか。そして、エレガントな酸味。
比較的、ライトな飲み心地のワインが多いです。

その複雑な味わいは私たちを上品な気分にさせてくれます。

また、産地、収穫年、生産者によって味わいが大きく異なります。

そう簡単にはピノ・ノワールの複雑な味わいの違いを感じ取れるようにはならないかもしれませんが、だんだんとピノ・ノワールの魅力に気づいていくことでしょう。

ピノ・ノワールの色合い・香り

ピノ・ノワールのワインは一般的に明るめのルビー色で、輝度が高いです。

ピノ・ノワールの香りは、イチゴやチェリー、フランボワーズなどの赤いベリー系をはじめ、スミレの花やバラの香りが特徴です。

また、熟成が進むと、紅茶やなめし皮、枯れ葉、トリュフの香りを思わせてくれます。

主な産地

フランスのブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方、またドイツなどの冷涼な地域で造られたピノ・ノワールのワインが有名です。
繊細でエレガントな味わいで、香りはイチゴやイチジクに例えられます。
また、アメリカ(カルフォルニアやオレゴン)やニュージーランドでも良質なピノ・ノワールの産地で、フランスなどに比べて、色合いが濃いワインになります。味わいはジューシーさが増し、香りはラズベリーやブラックプラムに例えられことも。

フランス

フランスのブルゴーニュ地方の赤ワインのほとんどはピノ・ノワールです。

ブルゴーニュ地方は日当たりが良く、石灰質土壌が良質なピノ・ノワールを造り出します。

ブルゴーニュではわずか数メートル離れた畑でも味わいに変化があり、また、同じ畑でも生産者が異なると醸造方法も異なるため、ワインを選ぶ上では生産者も重要な要素となります。

「コート・ドール」はフランス語で「黄金の丘」という意味で一帯にはブルゴーニュ地方でも屈指の有名ドメーヌが集まっており、世界最高峰のピノ・ノワールを生み出しています。
世界一高級な赤ワイン、「ロマネ・コンティ」の畑もこのエリアです。


ドイツ

ドイツではピノ・ノワールを「シュペートブルグンダー」と呼びます。
生産も消費も白ワインが中心だったドイツですが、1990年代以降世界的な赤ワインブームを背景にピノ・ノワールの栽培面積が急増し、現在ではドイツ国内で栽培されている赤ワイン用ブドウ品種の中でピノ・ノワールは最大の栽培面積となっています。
ドイツ西部で最北のアールや、ドイツ南部のバーデンで多く栽培されています。
バーデン地方では、エレガントな味わいの高品質なシュペートブルグンダーが栽培されています。

アメリカ

アメリカのピノ・ノワールは果実味たっぷり。カジュアルな雰囲気で楽しみたいときにおすすめです。

アメリカ、カリフォルニア州のソノマでは乾燥した気候、冷たい海の影響で気候が冷涼なため、高品質なピノ・ノワールが栽培されています。
またブルゴーニュ地方と緯度がほぼ同じのオレゴン州は、冷涼な気候で、凝縮した果実味が特徴です。


ニュージーランド

ニュージーランドでのピノ・ノワール生産量第1位のマールボロ地方や世界最南端のワイン産地ともいわれているセントラルオタゴで多く栽培しています。

ニュージーランドのピノ・ノワールは、ピノ・ノワールの高貴さを残しつつ、フレッシュな味わいが楽しめます。

ピノ・ノワールと相性の良い料理

口当たりが滑らかで、上品で軽やかな飲み心地のピノ・ノワールはどっしりとしたお料理よりもシンプルな味付けのお料理と相性が良いです。例えばローストチキンやポークソテーなど。
熟成が進んだピノ・ノワールなら鴨肉もおすすめです。

和食ならマグロやカツオなど赤身魚の刺身が合うでしょう。

ピノ・ノワールの程よい酸味は和食とも相性抜群です。
醤油やダシを使った繊細な味の料理とぜひ合わせてみてください。

また、ピノ・ノワールの赤いベリーのような香りが甘酸っぱいソースを使ったサラダとも絶妙にマッチしますよ。

ピノ・ノワールを使用したおすすめワイン

ピノ・ノワールの赤ワインを知るなら、バランスの取れたスタンダードなルイ・ジャドのピノ・ノワールがおすすめ。

ルイ・ジャド

「ルイ・ジャドを語らずしてブルゴーニュは語れず」と世界的に高い評価を受けているルイ・ジャド社。
1859年から続く歴史ある名門ワイナリーです。
ルイ・ジャド社のワイン造りの目的は、自らが誇りとするブルゴーニュの真のテロワールを、それぞれのワインを通じて表現することであり、長い将来にわたってそのテロワールが維持されていくことです。
そのために、約20年以上前から化学肥料や農薬の使用を排除するなどオーガニックな取り組みを強化しており、2019年にはHVE(High Environmental Value 環境価値重視認定)の最高位であるレベル3を取得しました。
醸造は天然酵母を使用し、じっくりと時間をかけて行います。最先端の設備を備えたボーヌのラ・サブリエール醸造所を主軸に、コート・シャロネーズのジヴリにあるブルゴーニュ・ジェネリック専用の醸造施設、またシャブリ、ボージョレなど、ブルゴーニュ各所に醸造所を配置し、ルイ・ジャド社のワインの品質をさらに高めるに至っています。

ルイ・ジャド ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2018 750ml/375ml


商品名 Bourgogne Pinot Noir
生産者 ルイ・ジャド
ヴィンテージ  2018年
品種 ピノ・ノワール100%
アルコール度数 13.0%
原産国 フランス
色/味わい
赤/ミディアムボディ
土壌・畑情報 石灰粘土質土壌
収穫方法 手摘み
醸造方法 ステンレスタンクにて3週間発酵
熟成方法 1/3樽熟成、2/3はステンレスタンクにて12~15カ月間熟成。ボトリング前にブレンド。
栓 DIAMコルク
添加物情報 亜硫酸塩(酸化防止剤)

商品情報(テイスティングコメント)
このワインは、「コート・ドール」と「コート・シャロネーズ」の畑の選ばれたブドウから造られています。ジャド・スタイルを反映して、ふくよかなフルーツらしさと絹のような舌触りと優しいタンニンを持った、穏やかで調和のとれた香味に仕上がっています。
若いときには赤い果実のフルーティさを発揮し、時間とともに、森の枯れ葉の香りや、スパイシーさなど、より熟成した香りで楽しませてくれます。ブレンドに用いられるコート・シャロネーズのブドウが果実味を、コート・ドールのブドウが骨格や深みをワインに与え、バランスよく調和しています。

料理との相性 
グリルした赤身肉や優しい風味のチーズなど

生産者情報
ルイ・ジャド社はネゴシアンとしてブルゴーニュ・ワインの取り引きにかかわる一方、総面積240ヘクタール以上のブドウ畑を所有する大ドメーヌでもあります。

「ルイ・ジャド ブルゴーニュ ピノノワール 2018 750ml」のお買いものはこちらです

ピノ・ノワールを存分に楽しむために

華やかな香りが豊かなピノ・ノワールはぜひともワイングラスを使って楽しんでいただきたいものです。
ワイングラスの中央部が膨らんでいて、口の部分が狭まった形をしたワイングラスがおすすめです。
香りが凝縮され、ピノ・ノワールの複雑な香りが鼻腔いっぱいにふわっと広がります。

東洋佐々木ガラス ワイングラス ディアマン ブルゴーニュ 730ml

「東洋佐々木ガラス ワイングラス ディアマン ブルゴーニュ 730ml」のお買いものはこちらです

[RIEDEL] リーデル <ヴィノム> ピノ・ノワール(ブルゴーニュ)

酸味が強く、渋みは中程度、複雑な香りの赤ワインに最適です。大きなボウルが香りを十分にひらかせます。ワインが舌先に導かれることで、強い酸味と果実味とのバランスを整えます。

「[RIEDEL] リーデル <ヴィノム> ピノ・ノワール(ブルゴーニュ)」のお買いものはこちらです

Zalto [ザルト] デンクアートブルゴーニュ グラス

最も熟練したガラス職人により、「口吹き制作」のみを使用するという伝統は、各zaltoの細かさに反映されています。羽のように軽いにもかかわらず、食器洗い機にも対応。酸化鉛を含まない慎重に選択された原材料はzaltoガラスに曇りに対する高い耐性を与えます。

「Zalto [ザルト] デンクアートブルゴーニュ グラス」のお買いものはこちらです

まとめ

ブドウ品種を知ろうシリーズ、今回はピノ・ノワールについてお伝えしました。
一見、近寄りがたいピノ・ノワールのワインですがその洗練された味わいと華やかな香りに一度飲んだら魅了されていくことでしょう。
イマイチ味わいが捉えられなくても大丈夫。時間をかけてワインと向き合っていくことでいつしかその感動を味わうことができるはずです。
ときには、チャーミングな一面も見せてくれるピノ・ノワールのワインをあなたもぜひ楽しんでみてください。

一覧ページに戻る

Follow Me!

PC用のフローティングバナー スマホ用のフローティングバナー